狭間志保1

若い女子達の掛け声が響き渡る。
そこは聖堂館高校のグラウンドだ。
3年A組の女子生徒達だった。
人数は20人くらいだ。
体操着姿の女子生徒達が、
凛とした掛け声をあげながらグラウンドを走り続ける。
その中には新山利恵と黒崎真衣、
2人の姿もあった。
それをグラウンドの隅から見つめる男の姿があった。
黒いジャージ姿にでっぷりとした腹、
坂木だ。
これは体育の授業だった。
坂木は一応体育教師なのだ。
にやにやと醜悪な笑みを浮かべ、
走り続ける女子生徒達を見ていた。
「あいつ…良い性格してるよ…」
そう呟いたのは真衣だった。
大量に流れ出る汗、
その表情はつらそうだ。
利恵はまだ体力的に余裕があるらしくその表情に曇りがない。
適度に流れるその汗が、
彼女の美貌を引き立てていた。
だがその美しい容姿とは裏腹に吐き出す言葉はかなり汚い。
「あの豚まんじゅうが!」
「おらぁ!きりきり走れぇ!」
坂木の怒号だ。
その手には竹刀が握られている。
坂木の体育授業はとにかく走らせる。
そういうところがまた悪評を買うのだが本人はどこ吹く風だった。

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